高次脳機能障害のリハビリテーション(p166-193)
2025-10-17
公認心理師試験過去問
硬膜下電極
EEG, MEG, NIRS
CT, MRI
fMRI
拡散テンソル解析
PET, SPECT
酸素との結合の有無によって,ヘモグロビンの磁化率が変化することに基づき,脳活動を評価する手法として,適切なものを1つ選べ。
EEG
fMRI
MEG
PET
SPECT
これから出てくるMRIやNIRSとは異なり,侵襲的(要開頭手術)な脳機能計測・刺激ツール
EEGやMEGでは得られない超高精度の情報を得られる
脳の特定部位に電極による微弱な電流刺激
刺激中に言語機能や認知機能を調べ,脳部位と機能の対応を調べる
→手術の時に重要部位を損傷しないために活用される
脳波(electroencephalography; EEG)
脳磁法(magnetoencephalography; MEG)
近赤外線スペクトロスコピー(Near-infrared spectroscopy; NIRS)
→時間分解能が高いのはEEGやMEG
→これらと比較すると(f)MRIは空間分解能に優れる。
脳の活動による電気信号の流れの周囲に発生する磁場を測定
ミリ秒単位で脳活動の変化を捉えられる
機能局在のマッピング
脳活動に伴う酸素消費を近赤外光で測定
fMRIと同様に血中ヘモグロビンの変化から脳活動を測定
X線を利用して体内の状態を断面像として描写
X線は固いものを通らないので通り抜けたX線の量から体内の固い部分を測定
体の細胞に含まれる水素原子を磁力と電波によって影響を与えて画像化
水素原子が出す信号の強弱に応じて濃淡をつける
高信号は白,低信号は黒く映る
→画像診断は診断・ケアにおいて重要だが限界もある
e.g.) 頭部外傷,脳血管障害,変性疾患,脳炎,脳症,脳腫瘍性病変
→MRIが困難なら数秒で終わるCTを実施
得られた情報は体動制御困難によるものでないか?
「ある時点の検査画像」から読み取れるものか?
RFパルス(電波)で倒されたプロトン(水素原子)の磁化が元の縦方向に回復する速さ
T1値が短い組織(e.g. 脂肪,一部のタンパク質): 回復が速い → T1WIで白
脳の形態や構造の評価に適する
横方向に倒されたプロトンの磁化がバラバラになって信号が減衰していく速さ
T2値が長い組織(e.g. 水, 浮腫, 炎症, 病変):信号の減衰が遅い → T2WIで白
組織の水分含有量の変化を反映し病変を検出
体内の水分子の不規則な運動(ブラウン運動)を画像化
水分子が動きやすい(拡散しやすい)ほど黒く映る
早期の脳梗塞(発症数時間以内)の検出に非常に有用
CTや従来のMRIでは検出が難しい時にも病変検出可能
「MRIの信号が時間とともに弱くなっていく現象」のうち横方向(水平方向)で起こるもの
水分が多く含まれる組織や病変(例:脳脊髄液, 浮腫, 多くの病変)は高信号(白くなる)
脂肪, 脳脊髄液で満たされた側脳室,灰白質は白,白質は黒
脳の病変(浮腫、梗塞、腫瘍、脱髄病変など)の検出
白質病変の広がりは認知機能低下(特に前頭葉機能)と関連
病変(脱髄、梗塞、くも膜下出血など)は一般的に高信号(白い)
T1強調画像のコントラストで画像を立体的に(3次元で)取得
T1強調画像では水分は低信号(黒),脂肪や一部の病変は高信号(白い)
灰白質が白く,白質が黒く映る傾向(T2強調画像と逆)
高精細で薄いスライス厚の画像が得られるので脳の構造を詳細に評価できる
撮像後に任意の断面を再構成することが可能
脳全体の体積測定(脳萎縮の定量化)や形態異常の評価
特に認知症の診断において重要
これからいくつか症例がありますが…
高次脳機能障害の症候は多岐にわたり,同一診断名および同一人物でも毎回結果は異なる
疾患特異的な信号変化,局在から主たる疾患を特定することが第一歩
MRI画像からは発症機序,原因,背景リスク,二次変性の有無,複合的な病巣の存在を知ることができる
→三次元的な断面の選択が自在
→CTだと実質の出血はわからないが適切なMRIでびまん性軸索損傷の可能性
(他にもテキストには症例がたくさん載っている)
MRIの視診だけでは高次脳機能障害はわからないことも…(空間分解能の問題)
MRIで可視化できない脳ネットワーク,時空間的ダイナミクスを捉えるための方法論が必要(fMRI,拡散テンソル解析,PET,SPECT)
MRIで可視化された疾患をスクリーニング→二次変化の有無の検証→見えていないものの評価
デオキシヘモグロビンはMRIの信号を低下させる
BOLD effect; 局所的神経活動により局所脳血流が増加→細静脈レベルでデオキシヘモグロビン濃度が低下してMRI信号強度が増加
→この信号強度の変化をMRIに重ねて可視化
ただし局所の血管体積や酸素摂取率の影響を受ける
課題試行と安静を交互に連続。タスクによるMRI信号の有意な変化からタスクに対する脳内賦活部位を検出可能。
短時間のタスクを与え,タスク後のMRI信号変化を経時的に多数回観察してタスクに対する反応を検出。ヌル試行vsタスク試行の比較。
脳機能マッピングだけではなく脳部位の時点間相関から脳内ネットワークを検出。安静時に行われる。
(細かいことは省略)
脳の個人差をなくして統計処理をするためにサンプルのデータを統合して標準脳を作る
運動機能障害,失語症→障害後に通常と異なる部位が賦活
リハで賦活部位が変化
上肢片麻痺の麻痺側上肢運動における賦活部位の特定
脳卒中による半身不随患者の運動機能回復過程での賦活部位の変化
失語症のリハによって賦活部位の信号変化時間が変化
異なる力(10%, 30%, 60%)の握り動作をイメージ
想像した力が強いほど、右脳の活動(PM, IPL, SI)が強まった
右脳の活動から、患者の「意図した力」を読み取れる可能性
→イメージによるリハ?
MRIにおける解析法だけど,別に詳しくなくていい?
遅い速度の水(細胞間の水や脳脊髄液)の拡散現象を可視化
動きやすい(拡散が自由)と低信号,動きにくいと高信号(拡散低下)
拡散強調画像から拡散に関する情報を可視化する手法
血管が詰まると細胞に酸素が届かなくなり,細胞が異常な水分を取り込んで腫れる
→細胞の間隔が狭くなり水分子の運動性の低下
→拡散低下状態となり高信号(白く)として描出
CTや従来のT1・T2強調画像で検出が難しい発症直後の脳梗塞を早期に捉えられる
大脳の各領域間の接続性を定量化する解析法
コネクトーム行列のグラフ理論解析
放射性同位元素で標識した放射性医薬品を体内に投与し,機能・代謝画像の撮像,血流・機能を測定
陽電子を放出する放射性同位元素で標識した放射性薬剤を使用
放射線源の方向と位置から放射線源の体内集積度について3次元的に再構成
脳梗塞発症の予防(青は血流低下)
PETより簡単&安いので実臨床に広く普及
薬剤を投与,X線CTの技術を応用して断層画像を取得
現時点ではPETのみ
\(^{15}O_2\)ガス(通常は\(^{16}O_2\))吸入によって脳組織への酸素取り込みから測定
神経伝達物質が次のニューロンのレセプターに結合して情報が伝達されている
これらの情報伝達(神経伝達機能)のイメージング
疾患初期における回復可能性を予見するための脳障害の重篤性評価
回復の指標として治療終了時の脳機能評価
治療前後の複数回の測定における長期的な回復に伴う脳機能の変化
局所脳血流(rCBF)
局所脳糖代謝(rCMRglc)
局所脳酸素摂取率(rCMRO2)
\(CO_2\) inhalation(意図的な\(CO_2\)の吸入操作)
ダイアモックス負荷試験
→CO2分圧の増大に対する血管拡張性の有無を介して,障害に基づく虚血とdiaschisisの区別,代謝要求に対する組織の反応性の検討
健常状態では脳エネルギー代謝と脳血流は受容と供給が平衡状態だが,脳梗塞の経過中の断面では平衡状態にないことがある
SPECTでは代謝の測定はできないが,血管拡張性から虚血の程度を推測可能(血流増加が見られない部位が高度虚血)
→抗凝血薬や血栓溶解薬による急性期の血流改善
ダイアスキシス(Diaschisis);直接障害されていない脳局所の血流低下
虚血中心部とペナンブラでの障害に基づく虚血を区別するべき現象